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「――22歳おめでとう、俺」

 確かに、聞こえた。
 ちょっとだけ寂しそう……なんて言ったら、きっと怒られてしまう。
 でも、そんな声で。
 どうして言わないんです?
 皆でお祝いしたら、きっと楽しいのに。

(……こうなったら)

 せっかく今ちょうど帝都にいるんです。
 下町の皆さんにいろいろ聞いてみましょう。
 皆にも声を掛けて……たくさんの祝福を、ユーリに。

(ユーリは、どんな顔をするでしょうか)

 そんな事しなくてもいいのに、とか言いながら。
 それでも、笑ってくれたら。

(フレンには、負けませんよ)

「……どうしたんだ、エステル?」

「――え、あ、はい! 何ですかユーリ?」

「いや、声掛けても気づいてないみたいだったから」

「ユーリこそいつの間に――」

「…ん?」

「な、何でもないです。私はちょっと用事を思い出したので、今から出掛けて来ますね!」

「なら俺も一緒に――」

「一人でも大丈夫です!」

「って、おい、エステル!?」






 本当は一人じゃありません。
 それから、ユーリも一人じゃありません。
 皆でお祝いしましょう?
 ね、ユーリ――







≪あとがき≫
 web拍手御礼SS第5弾。こっから「誕生日」編であります。
 公式様の没スキットでは確か皆に聞かれてたと思いますが、その辺は華麗にスルーして下さい。
 それにしても、リアルに同い……以下省略!